フィル(下方向・上方向)― 空白セルを直前・直後の値で埋める

💡 この記事で解決すること

Excelの「セル結合」やPDFからの取り込みで、分類名が先頭行にだけ入っていて2行目以降が空白になっているデータはよくあります。 このままでは集計やフィルターが正しく動きません。 フィル操作で空白セル(null)を直前の値で自動的に埋めます。

どんなときに使う?

以下のように「カテゴリ」列で先頭行にだけ値が入り、同じカテゴリの2行目以降がnullになっているデータを想定します。

フィル前

カテゴリ商品
食品りんご
nullバナナ
nullみかん
飲料コーヒー
null紅茶

フィル後(下方向)

カテゴリ商品
食品りんご
食品バナナ
食品みかん
飲料コーヒー
飲料紅茶

フィル(下方向)の操作

操作手順 フィルしたい列のヘッダーを選択 → 変換タブ →「フィル」→「下」。
右クリック →「フィル」→「下」でも同じです。

null(空白)セルが、その上にある最も近い値で埋められます。 nullでないセルはそのまま維持されます。

フィル(上方向)の操作

操作手順 列のヘッダーを選択 → 変換タブ →「フィル」→「上」。

nullセルが、その下にある最も近い値で埋められます。 データの最終行に値があり、上に向かってnullが並んでいる場合に使います。出番は「下方向」より少ないですが、特定のレイアウトで必要になります。

フィル前にやるべきこと

Excelのセル結合を解除してから取り込む。 セル結合されたデータをPower Queryに取り込むと、結合の先頭セルにだけ値が入り、残りはnullになります。 これは正常な動作ですが、元のExcelでセル結合を解除しておくと後の作業が楽になります。

空白文字列("")とnullは違う。 フィルが効くのはnullだけです。見た目は空白でも実際にはスペースや空文字列が入っている場合、フィルは動作しません。 その場合は先に「値の置換」で空文字列をnullに変換(「検索する値」に空文字列、「置換後」を空欄)してからフィルを実行してください。

⚠️ フィルは「並べ替え」の後に実行する場合、意図しない値で埋められることがあります。 フィルはデータの現在の並び順に依存するため、並べ替えの前に実行するのが基本です。

📝 Excelとの操作比較

Excelで同じことをやる場合は「空白セルを選択」→「=上のセル参照」→「Ctrl+Enter」→「値として貼り付け」という4ステップが必要です。 しかも手動操作なので、データが更新されるたびに同じ作業を繰り返す必要があります。 Power Queryのフィルなら1クリックで完了し、更新のたびに自動で再実行されます。

まとめ

フィル(下方向)はセル結合されたデータやPDF取り込みデータで必ず必要になる操作です。 nullセルを直前の値で自動的に埋め、集計やフィルターが正しく動く状態にします。 空白文字列はフィルの対象にならないため、事前に値の置換でnullに変換しておくことがポイントです。