Honeywell
EZConfig / Data Formatter
検証メモ — NumEnter・Delay・設定紙展開の注意点

Honeywell の EZConfig for Scanning と Data Formatter を使い、QRコード内の ! を制御記号として扱う検証を行いました。特に重要なのは、NumEnter は Control Characters や Extended ASCII ではなく、Insert → Key Strokes 側で設定する点です。一方で、TabはExcel側で CHAR(9) を入れられるなら無理にキー変換せず、NumEnterやPageUp・PageDown・HomeなどCHAR関数で扱いにくいキーを専用トリガーへ分ける方が読みやすくなります。

Enter / Tab の共通整理

QR入力では、読み取り先によって最初に試す制御を分けます。Num Enter は Excel の CHAR 関数では生成できないため、必要な場合はQRリーダー側のキー変換で確認します。

用途まず試すもの備考
Excelで次行へ移動CHAR(10)ExcelのEnter移動設定やリーダーのサフィックスに依存します。
Webフォームの確定・検索CHAR(13)画面ごとに差があるため、検証画面で確認します。
基幹系の確定Num EnterCHAR関数では生成できません。QRリーダー側のキー変換が必要です。
Tab移動CHAR(9)多くのExcel/Webフォームで安定しやすい制御です。
⚠️ 会社のリーダーで試す前の注意
業務で使っているHoneywellリーダーは、出荷・検品・棚卸・レジ・医療などの工程用に独自設定されている場合があります。実験前に現在設定を保存し、復元できることを確認してください。初期化だけでは、会社独自のPrefix/Suffix、読み取り対象、キーボード種別、インターフェース設定、Data Formatter設定が戻らない可能性があります。

💡この記事の目的

この記事では、Honeywell の EZConfig / Data Formatter を使って、QRリーダーを業務入力用の「物理RPA」として使うための検証結果を整理します。

  • 確認したこと:! から CR への変換が可能
  • 確認したこと:Insert → Key Strokes で NumEnter を送信可能
  • 重要な注意:NumEnter は Control Characters や Extended ASCII 側ではなく、Key Strokes 側で扱う
  • 記号設計の前提:Tabは CHAR(9) を優先し、/ をNumEnterにするなど、変換が必要なキーだけ専用記号に分ける
  • 未確認課題:Data Formatter / NumEnter / Delay 設定を紙バーコードだけで安定配布できるか
  • 実務上の焦点:設定自由度は高いが、設定画面の分かりにくさと復元手順が課題
  • 整理したい点:速度調整は柔軟で、Tab・CR・NumEnterなどのキー送信も同じ考え方で調整可能

検証環境と前提

項目内容
メーカーHoneywell
想定機種Xenon 1900g 系を中心としたUSB-HID型QRリーダー
設定ツールEZConfig for Scanning
主な機能Data Formatter
区切り記号!
主な検証対象CR、Tab、NumEnter、Delay、Pause、Generate Bar Code、SAVE TO DEVICE
📝 本記事の位置づけ
この記事は「Honeywellなら何でも確実にできる」と断定するものではありません。実機検証で見えた設定場所、操作思想、未確認課題を整理し、会社の既存リーダーで安全に試すための調査メモとして扱います。

確認済み事項

1 ! → CR の変換 確認済

QRコード内の ! を、Data Formatter側で CR 相当のキー送信に変換できることを確認しました。

入力例:AAA!BBB!CCC
出力例:AAA[CR]BBB[CR]CCC

この方式を使うと、Excel側では ! を行区切り・レコード区切り・Delay用記号として扱いやすくなります。ただし、Tabのように CHAR(9) で直接作れるものまで ! に寄せる必要はありません。

2 NumEnter は Insert → Key Strokes で設定 重要

Honeywellで最も重要だった発見は、NumEnter の設定場所です。NumEnter は Control Characters や Extended ASCII 側ではなく、Insert → Key Strokes 側で設定します。

Data Formatter
  → Insert
  → Key Strokes
  → テンキー側 Enter / NumEnter
💡 実務上の意味
普通のEnterでは登録されず、テンキー側Enterだけが確定キーとして扱われる業務システムがあります。その場合、NumEnterを送れるかどうかはかなり重要です。
3 Tab / CR / NumEnter の使い分け 入力制御
キー主な用途Honeywellでの考え方
Tab次の入力欄へ移動ExcelでQRを作るなら CHAR(9) を優先。変換は必要な場合だけ
CR / Enter改行・確定・登録CHAR(13) / CHAR(10) で足りる場合はQR側に埋め込む
NumEnterテンキーEnterが必要な画面の確定Insert → Key Strokesで設定
Delay / Pause画面遷移や登録完了待ちData Formatter側で柔軟に調整できる可能性

Control Characters / Extended ASCII / Key Strokes の違い

Honeywellの設定で分かりにくいのは、同じ「特殊キー」でも設定場所が分かれている点です。

分類主な役割注意点
Control CharactersCR、LF、Tabなどの制御文字通常の制御文字には向くが、Tabは CHAR(9) で済む場合が多く、NumEnterは見つからない場合がある
Extended ASCII拡張文字コード系キー操作そのものとは別物として考えた方が安全
Key Strokes実際のキー入力に近い送信NumEnterなど、キーとして送るものはこちらを確認する
⚠️ 迷いやすいポイント
NumEnterを探す時に Control Characters や Extended ASCII ばかり見ていると見つからない可能性があります。Honeywellでは「文字コード」ではなく「キー操作」として扱うものは、Insert → Key Strokes 側を見るのが重要です。Tabのように CHAR(9) で作れるものと、NumEnter・PageUp・PageDown・Homeのように実キー送信として扱うものを分けてください。

速度調整とキー調整は同じ考え方で組み立てられる

Honeywellの強みは、速度・ディレイだけではありません。Data Formatterで、区切り文字、待機、キー送信を組み合わせることで、Zebraと同じように業務入力用のキー操作を組み立てられます。

調整対象内容実務上の使いどころ
速度・ディレイ文字間や処理間の待機を柔軟に調整する古いWebシステム、Citrix、RDP、重い業務画面で文字欠けを防ぐ
TabCHAR(9) で直接送る。必要時だけキー変換にするExcel入力、Webフォーム、業務システムの項目移動
CR / Enter改行・確定・登録キーとして送る検索、登録、確認ダイアログの確定
NumEnterInsert → Key Strokes からテンキー側Enterとして送る普通のEnterでは反応しない端末・基幹系画面
区切り記号! はDelayや区切り、/ はNumEnterなど、役割別に変換するExcel側で作ったQR文字列を、読み取り時に操作キーへ変換する
💡 Honeywellの位置づけ
Honeywellは速度調整が柔軟なだけでなく、キー操作も同じ発想で調整できます。ただし、設定場所が Control Characters、Extended ASCII、Key Strokes に分かれるため、手順書化しないと分かりにくくなりやすい点に注意が必要です。

Honeywellの強みと注意点

観点強み注意点
キー変換Data Formatterで柔軟に処理できる。Tab / CRはCHAR関数優先、NumEnterやPage系キーは用途に合わせて調整設定画面の用語と場所が分かりにくい
NumEnterInsert → Key Strokesで対応可能Control Characters側では見つからない可能性がある
Delay / PauseZebraより柔軟に遅延調整できる可能性があり、キー送信との組み合わせもしやすい設定内容と実際の動作の対応を実機で確認する必要がある
設定紙展開Generate Bar Code機能があるData FormatterやNumEnter設定まで紙で安定配布できるかは未確認
現場説明機能的には強い初見の人に説明しにくく、属人化しやすい

Generate Bar Code / SAVE TO DEVICE の調査課題

Honeywellで次に重要なのは、作成したData Formatter設定を現場に安全に配布できるかです。

1 Generate Bar Codeで設定紙を作れるか 最優先
  • Data Formatter設定が設定バーコードに含まれるか
  • Insert → Key Strokes の NumEnter 設定も含まれるか
  • Delay / Pause 設定も含まれるか
  • 複数バーコードを順番に読む必要があるか
  • 設定音や完了音で反映確認できるか
2 SAVE TO DEVICEとの差を確認する 重要
確認項目見るべき内容理由
SAVE TO DEVICEUSB接続状態で直接反映できるか手元設定としては確実な可能性がある
Generate Bar Code紙で同じ設定を再現できるか現場配布・復元に必要
設定保存PC上に設定ファイルとして残せるか元設定への復元に必要
再起動後維持リーダー抜き差し後も設定が残るか実運用では必須
🔍 暫定仮説
Honeywellは機能そのものは柔軟ですが、現場展開では「SAVE TO DEVICEで動く設定」と「紙バーコードで再現できる設定」が完全に一致するかを確認する必要があります。ここが確認できると、会社の既存リーダーで安全にPoCしやすくなります。

可変件数への考え方

Honeywell Data Formatterは柔軟ですが、すべてをリーダー側の条件分岐で吸収しようとすると設定が複雑になります。実務では、できるだけExcel・QR作成側でデータを整形し、リーダー側は軽い変換にする方が安定します。

方式内容評価
リーダー側で全部処理Data Formatterに多数の条件を持たせる高機能だが、設定が読みにくくなる
QR側で制御文字を埋め込むExcel数式でTabは CHAR(9)、CRは CHAR(13)、DelayやNumEnterだけ記号にするメーカー依存が減り、可変件数に強い
業務ごとに設定を分ける工程A用、工程B用の設定を作る分かりやすいが、切替と復元が必要
=A2 & CHAR(9) & B2 & CHAR(9) & TEXT(C2,"yyyymmdd") & "!" & D2

このようにQR側でTabや基本的なEnterを作っておくと、Honeywell側のData Formatterは ! をDelayや区切りに、/ をNumEnterに変換する程度で済みます。

Zebra / Opticon と比較したHoneywellの位置づけ

Honeywell は、Zebra より設定画面は分かりにくい一方で、速度調整・ディレイ・Key Strokes の自由度が高い点が強みです。特に、NumEnter やポーズキーを含めた細かい入力制御を作り込める点は重要です。

メーカー QRリーダー設定 設定ツール ディレイ キー・ポーズ設定 総合的な見方
Zebra 1位
QRコード/設定バーコードでリーダー設定を展開しやすい。
1位
123Scan が比較的分かりやすく、現場説明もしやすい。
3位
キャラクター間ディレイを極端に遅くする用途は弱い可能性。
最も設定しやすい候補
NumEnter、Enter、Tab、ポーズキーなどをADFで整理しやすい。
可変件数と低速化の限界をクリアできれば、3メーカーの中で最も標準機にしやすい。
Honeywell 2位
設定バーコード展開は可能性あり。ただしQR読み込みだけで安定設定できるかは未確定。
2位
設定画面はやや分かりにくいが、Data Formatter の自由度は高い。
1位
速度調整が柔軟。Opticon と同等クラスの候補。
NumEnter や各種ポーズキーの設定は可能。Insert → Key Strokes の理解が重要。 速度・ディレイ・キー制御に強い。標準手順書を作れば有力候補。
Opticon 3位
QRコード読み込みで設定可能。ただし設定体系の理解が必要。
3位
ストリーミング型で、Zebra / Honeywell とは別系統。初見では最も分かりにくい。
1位
ディレイ・Sleep 系の考え方は柔軟。Honeywell と同等クラスの候補。
NumEnter や各種ポーズキーの設定は可能。 うまく使えば最も柔軟で、1つの設定で複数業務に対応しやすい。ただし設定難度が高い。
💡 Honeywellの暫定評価
Honeywell は、設定展開や分かりやすさでは Zebra に劣る可能性がありますが、ディレイ・速度調整は最上位候補です。さらに NumEnter や各種ポーズキーも設定できるため、入力先システムが遅い場合や、キー種別に厳しい場合に強みがあります。

Honeywellは「固定式しかできない」というより、かなり柔軟に設定できます。ただし、設定項目の所在が分かりにくいため、作れる人がいれば強いが、現場に説明するには整理が必要という位置づけです。

次に確認すべき調査項目

1 現在設定のバックアップと復元 最優先
  • EZConfigで現在設定を読み出せるか
  • 設定ファイルとしてPCに保存できるか
  • 保存設定から元の状態に戻せるか
  • Data Formatter設定もバックアップ対象になるか
  • NumEnter / Key Strokes 設定も復元されるか
2 設定バーコード配布 現場展開
  • Generate Bar CodeでData Formatterを配布できるか
  • 1D設定コードで足りるか、2D設定コードが必要か
  • 紙の読み取り順序に依存するか
  • 工場出荷状態から同じ設定に戻せるか
  • 別個体のHoneywellリーダーにも同じ設定を反映できるか
3 実システムでのNumEnter必要性 入力先確認
入力先確認内容見るべき現象
Excel普通のEnterとNumEnterの違いセル移動・確定動作
Webシステム登録ボタンや検索欄の挙動普通のEnterで足りるか
Java / Citrix / RDPキーコード差の影響NumEnterだけ反応する画面がないか
COBOL端末系確定キーとして何を受け付けるかCR、Enter、NumEnterの差

現時点の暫定結論

項目結論
Honeywellのキー変換EZConfig / Data Formatterで対応可能。TabやCRはCHAR関数を優先し、NumEnterやPageUp・PageDown・HomeなどはKey Strokes側で調整する。
! → CR動作確認済み。
NumEnterInsert → Key Strokes で対応可能。Control CharactersではなくKey Strokes側を見る。
ディレイ調整Zebraより柔軟な可能性があるが、実機・入力先システムで確認が必要。速度調整とキー送信を組み合わせて設計できる。
設定紙展開Generate Bar Code機能はあるが、Data Formatter / NumEnter / Delay設定まで安定配布できるかは未確認。
実務での位置づけ機能的には強いが、設定画面が分かりにくいため、標準手順書と復元手順が重要。
💡 価値があるポイント
Honeywellは、会社に既にあるリーダーで試せれば非常に有力です。新規購入や稟議の前に、既存機材で「QRを読むだけで入力できる」ことを実演できます。ただし、そのためには現在設定の退避・復元・設定紙展開の確認が必須です。

QRリーダー連携の運用注意

QRリーダーは多くの場合、PCにはキーボード入力として認識されます。Tab、Enter、NumEnter、Pause、Delayを組み合わせると、登録・更新・削除などの操作まで進められるため、実務投入前の検証手順を必ず固定してください。

  • 本番データではなく、架空データと検証用画面で読み取り順、セル移動、登録操作を確認する。
  • 個人情報、認証情報、機密コードをQRにそのまま埋め込まない。
  • 設定変更前に、現在設定の保存・復元手順を確認する。
  • 初期化バーコードだけに頼らず、会社独自設定を戻せる状態を作る。
  • Excel以外の画面がアクティブな状態で誤送信されないか確認する。