Opticon
UniversalConfig
実機検証メモ — ストリーミング方式・Sleep・キー変換の実務整理
Opticon / オプトエレクトロニクス系リーダーは、設定を理解するまでが難しい一方、 一度設定してしまえば、QRコード内の制御記号を左から順番に処理する ストリーミング方式に近い運用ができ、物理RPA用途では非常に使いやすい候補です。 Tabは CHAR(9) を優先し、NumEnterやPageUp・PageDown・HomeなどCHAR関数で出しにくいキーだけを記号変換へ分けると、QR文字列の意味が追いやすくなります。 本記事では、OPI-3601、ALX-3601、L-46Xで確認した実務向けの整理をまとめます。
最終更新: 2026-05-14 | 読了目安: 12分
↵ Enter / Tab の共通整理
QR入力では、読み取り先によって最初に試す制御を分けます。Num Enter は Excel の CHAR 関数では生成できないため、必要な場合はQRリーダー側のキー変換で確認します。
| 用途 | まず試すもの | 備考 |
|---|---|---|
| Excelで次行へ移動 | CHAR(10) | ExcelのEnter移動設定やリーダーのサフィックスに依存します。 |
| Webフォームの確定・検索 | CHAR(13) | 画面ごとに差があるため、検証画面で確認します。 |
| 基幹系の確定 | Num Enter | CHAR関数では生成できません。QRリーダー側のキー変換が必要です。 |
| Tab移動 | CHAR(9) | 多くのExcel/Webフォームで安定しやすい制御です。 |
💡 この記事の結論
Opticon系は、設定は難しいです。特にSleep、キー変換、Function Code、文字コード、サフィックスを同時に理解する必要があります。
ただし、設定さえ決まれば、Excel側で作るQR文字列に制御記号を並べるだけで入力手順を変えられるため、 ZebraやHoneywellよりも汎用的に使いやすい場面があります。
Zebraは固定工程を作りやすく、Honeywellは個別案件を細かく作り込める印象です。 それに対してOpticonは、あらかじめいくつかの制御文字を設定しておき、 QRコード側で待機・Tab・Enter・NumEnterなどを組み合わせる運用に向きます。ただしTabや通常Enterは CHAR(9) / CHAR(13) で直接作れるため、キー変換はNumEnterやPage系キーなどに絞ると読みやすくなります。
検証済み機種と前提
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 確認済み機種 | OPI-3601 / ALX-3601 / L-46X |
| 設定ツール | UniversalConfig、設定メニューバーコード、機種別マニュアル |
| 接続方式 | USB-HIDキーボード入力を前提 |
| 確認した主な機能 | サフィックスNone、キャラクター間ディレイ、Sleep、キー変換、NumEnter相当、設定QR配布・復元 |
| 注意 | 同じOpticon系でも、機種・ファームウェア・出荷設定で挙動が変わる可能性があります。 |
会社で使っているリーダーを直接変更する前に、現在設定を保存し、復元できることを確認してください。 初期化バーコードだけでは、会社独自の設定を完全に戻せない場合があります。
Opticonが強い理由:QR側を簡易スクリプトにできる
Opticon系で特に強いのは、QRコード内の文字を左から順番に処理し、 特定の記号が来たらその場でキー送信や待機に変換するような運用を作れる点です。 本シリーズでは、この性格をストリーミング方式に近いと表現しています。
ストリーミング方式の考え方
文字列を左から順番に読む
↓
! が来たら待機
/ が来たらNumEnter
} が来たらPageDown
{ が来たらPageUp
Tabや通常EnterはCHAR(9) / CHAR(13)を優先
↓
また次の文字へ進む
たとえば、最初に記号の役割を設定しておけば、業務ごとの違いはExcel側のQR文字列で吸収できます。
QR文字列の例
=A2 & CHAR(9) & B2 & "!" & C2 & "/"
- 品番を入力する
- CHAR(9) でTab移動する
- 数量を入力する
- ! で画面処理を待つ
- ロットを入力する
- / でNumEnterを送る
待機を増やしたければ ! を増やす、移動順を変えたければ CHAR(9) の位置を変える、NumEnterが必要なら / を置く、という調整ができます。 リーダー側の設定を毎回作り直さなくてよい形にできるのが大きな強みです。
最初に固めるべき設定
| 設定 | 目的 | 考え方 |
|---|---|---|
| サフィックスNone | 余計なEnterを出さない | EnterはQR文字列側の制御に寄せる。最初に必ず確認する。 |
| キャラクター間ディレイ | 文字欠けを防ぐ | 20段階程度の速度段階で調整できる機種があり、重い画面でも安定させやすい。 |
| Sleep / Pause相当 | 画面遷移や処理完了を待つ | ! などの記号に待機を割り当て、必要な場所だけ待つ。 |
| キー変換 | NumEnter / PageUp / PageDown / Home / Fキーなどを送る | Tabや通常EnterはCHAR関数を優先し、CHAR関数で扱いにくいキーだけFunction Code Mappingやキー変換設定で実キー入力に変える。 |
| 設定保存・復元 | 現場で戻せるようにする | UniversalConfig、設定QR、設定記録表をセットで残す。 |
Zebra / Honeywell と比べた位置づけ
| メーカー | 得意な形 | 実務での見方 |
|---|---|---|
| Zebra | 固定手順をGUIで組み立てる | 123Scan / ADFが分かりやすく、設定配布もしやすい。固定工程に強い。 |
| Honeywell | Data Formatterで個別に作り込む | DelayやKey Strokesを細かく組める。自力設定できる人がいると強い。 |
| Opticon | QR内の制御記号をその場で処理する | 設定は難しいが、一度決まるとExcel側のQR文字列だけで柔軟に運用しやすい。 |
つまり、Opticonは「誰でもすぐ設定できる機種」というより、 設定を理解した担当者が最初に型を作り、その後は現場が安定して使う機種として考えると分かりやすいです。
現場導入でおすすめの型
- 本番機ではなく、余剰機・予備機・検証用機を使う。
- サフィックスNone、速度、キー変換、Sleepを小さいテストQRで確認する。
- 設定前後の状態を保存し、戻し方を手順化する。
- ! は待機、/ はNumEnter、PageUp・PageDown・Homeは別記号のように役割を固定する。
- Tabは原則 CHAR(9)、通常Enterは CHAR(13) / CHAR(10) を使う。
- 業務ごとに記号を増やしすぎない。
- 記号一覧を現場用の設定表として残す。
- 待機が足りなければ ! を増やす。
- 入力欄が変わったら CHAR(9) や / の位置を調整する。
- リーダー設定はなるべく固定し、Excel式側で業務差を吸収する。
現時点の暫定結論
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 設定難易度 | 高い。Sleep、キー変換、文字コード、復元手順まで含めると初期構築は難しい。 |
| 設定後の使いやすさ | 非常に高い。制御文字の役割を固定できれば、Excel側のQR文字列だけで運用を変えやすい。 |
| 物理RPA適性 | 強い。画面遷移待ち、セル移動、確定キー、可変データをQR側で組み合わせやすい。 |
| 導入時の注意 | 設定保存・復元を先に固める。本番機に直接設定を入れない。 |
Opticon系は、設定できる人がいるなら非常に強いです。 「設定は難しいが、設定してしまえば現場で使いやすい」という評価が最も近いです。
QRリーダー連携の運用注意
QRリーダーは多くの場合、PCにはキーボード入力として認識されます。Tab、Enter、NumEnter、PageUp、PageDown、Home、Pause、Sleep、待機時間を組み合わせると、登録・更新・削除などの操作まで進められるため、実務投入前の検証手順を必ず固定してください。Tabや通常EnterはCHAR関数、NumEnterやPage系キーは変換記号という分担で整理すると、設定表も読みやすくなります。
- 本番データではなく、架空データと検証用画面で読み取り順、セル移動、登録操作を確認する。
- 個人情報、認証情報、機密コードをQRにそのまま埋め込まない。
- 設定変更前に、現在設定の保存・復元手順を確認する。
- 初期化バーコードだけに頼らず、会社独自設定を戻せる状態を作る。
- Excel以外の画面がアクティブな状態で誤送信されないか確認する。